文化大革命さながらの弾圧続くチベット
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(以下引用)
先月末の拙稿(11月30日「衝撃 チベットで相次ぐ僧侶の焼身自殺」)からわずか3日後に、またもやチベットから悲しいニュースが届いた。12月に入り、チベット自治区の東にある、チャム ド(昌都)で、46歳の元僧侶(現在は俗人)のチベット人が焼身したと伝えられたのである。とうとう今年3月以降、チベットでの焼身は少なくとも12件に いたった。そして、この元僧侶の件と相前後してインターネット上に流れた、別の、目を疑うような、しかし生々しい画像が、世界のチベットサポーターにあら ためて大きな衝撃をもたらしている。
■このままでは、まだまだ犠牲者が増える
しかし、「四川省」や「青海省」というラベルが貼られ、漢族の流入が著しく進み、烈しい弾圧が行われることで、“消されてきた”はずの「チベット」とも いえる、東チベット地域で、今なお命がけの抗議行動が絶えない。この事実は、60年に及ぶ中国共産党の人権無視の超強圧的なチベット支配が誤りであったこ とを明確に指し示しているのだが、当局は一向にそれを認める気配はない。これもチベット問題の重大な論点の一つである。
北京の歴代王朝がとってきたチベットとの関係――自治をゆるし、むしろそれを、敬意をもって支援するという高等な懐柔政策の方向へ、現代の北京の主が舵を切る可能性は極めて低い。とすれば、残念なことに今後もチベットでの犠牲者は増えることとなろう。
■焼身した人を「テロリスト」呼ばわりする当局
冒頭述べた46歳の元僧侶の焼身抗議の件に話を戻そう。この件について、中国政府系のメディアは、亡命政府系メディアや欧米メディアとは異なる情報を伝えた。
焼身した男性の年齢は42歳、樹木の伐採の件でトラブルを起こした彼は、精神を病んでいたがために焼身という行為に及んだ、との記事であった。どうやら 中国当局は、焼身抗議するチベット人を「テロリスト」あるいは「精神病者」ということにしたいらしいが、これを容易に信じる人は世界にも、中国国内にも多 くはないだろう。
実は近年、動機は異なるものの、中国国内で中国人による焼身自殺も多数起きている。たとえば、当局による強制立ち退きなどに抵抗した末に、住民が自暴自 棄となり、ガソリンをかぶって焼身するなどの事件だが、当局の弁を借りるなら、こうした中国人も大半、テロリストか精神病者ということになるのであろう か。
一方、チャムドでは政府の庁舎が爆破され、現場には「チベット独立」と書かれていたとの情報が流された。これにもチベット側は疑いの目を向ける。 2002年に成都で起きたとされる「爆破事件」のときと同様に、チベット人や僧侶を拘束するための「でっち上げ」だとの主張があり、一部ヨーロッパのメ ディアもこの声を伝えている。
■日本はこのままでいいのか?
個々の件の真偽もさることながら、チベットでの人権状況の悪化は看過できるレベルをとうに超えていると見て間違いない。国際社会による調査という「介 入」が急務であることも間違いなかろう。しかし、「独裁を終わらせる」べく、リビアへの軍事介入にまで踏み切った欧米諸国も、チベットの件については、 「ポーズのみ」の中国批判を繰り返している感が否めない。一方、同じアジアにありながら、わが国に至っては、この件について政治的には一貫して沈黙状態で ある。この状況を打破するには、日本の有権者一人一人の意識がまず重要であることは言うまでもない。
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